インターネット回線「eo光」の特長について、自身の体験談より
現に関西にお住まいか、もしくは近い将来に住まわれる予定のある方に向けて、私が会社員時代に社で利用していた「eo光」回線の所感をつづった記事。
導入検討の一助となればうれしい。会社経営者の方にもヒントにしていただけるものと確信。
わたしが勤めていた会社では、オプテージ社の「eo光」および同社のビジネス向けサービス「インターネットオフィス」をインターネット回線として使用していた。
その時の体験をもとにネットワーク担当者の視点でこれらサービスに抱いた印象をみなさまにお伝えしたい。
以下に「eo光」、および同社がビジネス向けに提供するインターネット回線「インターネットオフィス」の特長をそれぞれ述べる。
ところで、なぜビジネス向けの話題をからめてかについては読んでご納得いただけるとおもう。
サービス名 | 対象 | 備考 |
eo光 | コンシューマー向け | 戸建てなどの一般家庭 |
インターネットオフィス | ビジネス向け | 知っておくと「eo光」を検討する段にも役に立つ |
「eo光」の特長
会社では、本社から2ブロックほどはなれた事務所で「eo光」のインターネット回線を使用しており、速度も十分で安定していた。
わたしが驚いたのは、固定IPの契約でなかったにも関わらず、2年ちかくもしくはそれ以上の期間、一度も自動的にアドレスが変更されることはなかった。
他のプロバイダであれば、数ヶ月から1年ほどでアドレスが変更されてしまうケースがおおいため、特異な印象を受けたのだ。
ほぼ固定IPアドレスといってよく、そうであれば運用上もいろいろ工夫できそうだ。
これは頭の片隅にいれておいて損のない情報。
「インターネットオフィス」の特長
さて、ここからが本題である。
「インターネットオフィス」は「eo光」を提供するオプテージ社がビジネス用途で提供しているサービスである。
一般の方はあまり耳にしないかも知れない。
ところで、「eo光」の話題にどうして「インターネットオフィス」のことを云々するのかいぶかしく思われた向きもいらっしゃるかも知れない。
それは、「eo光」と「インターネットオフィス」とはおなじプロバイダ網(おなじAS)であるため、「インターネットオフィス」の特長はそのまま「eo光」にあてはまる可能性が高いためである。
よって、「eo光」の導入を検討されている方が「インターネットオフィス」の特長を知っておくことは非常に有益と信ずる。
会社に入社したときから、オンプレミスのサーバー室のインターネット回線は「インターネットオフィス」だった。
上り方向の速度も安定して80Mbps~150Mbpsを出しており安定していた。
この回線には目を見張る際立った特長があった。
それは、ジッターの指標値が抜群だったのだ。フレッツ系のビジネス回線と比較して比べ物にならないくらい素晴らしかった。
ジッターの計測は海外から実施したもので、国際的な利用に大変向いているインターネット回線だとの強烈な印象をいだいた。
ジッターがいいのでパケットロスも非常にすくない。RTTは普通だったが、ジッターの方がはるかに重要である。
越境ECなどを志されている経営者の方は、導入する回線のヒントにされるとよいとおもう。
ゆらぎが少ないので通信は本当に安定していて、ほれぼれする粘り腰があるのだ。
おさらい。インターネットの速度は3つの要素で決まる。「パケットロス率」と「ラウンドトリップタイム」と「ジッタ」だ。
このなかで最も重要な要素は「ジッタ」である。
インターネットの双方向通信は、細かいパケットのやりとりが絡みにからみあって成立している。
一度に何千パケットをドバっと送っているわけではないのだ。機織りの機械のように、数パケットづつをリズムよく双方向でタイミングをとりながら送り合っている。
パケットには連番のような番号がつけられており、ちゃんと届いたかを把握できるようになっている。
予想されたパケットがとどいていないときは、送信のしなおしを要求する。
ゆらぎが大きいとパケットの送信しなおし回数がおおくなり、結果としてスループットは低下するのだ。
たとえとして、一人乗りのボートにそれぞれ乗った2人が20メートルほど離れた間隔でキャッチボールをしている様子を考えてみればいい。
波が高いほどボートの揺れが大きくなり、キャッチボールをミスする確率が高くなることは容易に想像できるだろう。
ミスがつづくとウンザリしてキャッチボールそのものをやめてしまうかも知れない。
双方向のパケットもこれと似たようなもの。波がおだやか、もしくは全くなければキャッチボールもスムースだ。
この例では、波の揺れをジッタと考えてよい。
ゆらぎがすくない要因として、「eo光」はアクセス回線とプロバイダとが一体となっている点が考えられる。
例えば、あなたが大手レンタルサーバーのサイトにアクセスするとしよう。この場合、パケットは以下の流れで旅をする。
あなたのPC ⇒ アクセス回線 ⇒ プロバイダ網 ⇒ IXなど ⇒ 大手レンタルサーバーのAS ⇒ 目的のサーバー
通信が遅くなったりする原因のおおくは、アクセス回線~プロバイダ網のあいだに存在する。
NTTのアクセス回線であれば、アクセス回線部分とプロバイダ網が別会社で管理している。
「eo光」は、この部分が一社で運用されているので、パケットの流れがよりシンプルなのだ。
その他の特長
アクセス回線とプロバイダーが一体なので回線品質の判定がしやすい点があげられる。
アクセス回線とプロバイダが別契約の場合、インターネットの表示速度がおそい場合にどちらに原因があるのかの切り分けがむずかしい。
たとえば、あなたが総務省のホームページにアクセスする場合、アクセス回線を通ってプロバイダ網にはいり、そこからIXなどを経由して総務省のサーバーに到達する。
ページの表示がおそい場合、アクセス回線かプロバイダ網に原因のある場合がおおい。
この二つの管理会社が別だと原因の切り分けがむずかしいのだ。
そのため、プロバイダを変更するか、アクセス回線を別事業者にするかの判断がつかない。
逆に、eo光のように一体型だと原因を絞り込める可能性が高い。つまり、品質の判定が比較的に容易な点はユーザー側にメリットがあると言える。
まとめ
あなたが関西人で、新規の回線契約を検討しているのであれば、実質的に「eo光」一択といってもよいだろう。
料金面では、「よくよく考えたらNTTよりも安いかなぁ」くらいでド派手なインパクトはない。 あくまで総合力が最良のサービスということだ(関西で)。
※eo光とフレッツ光との主力サービス料金比較表を掲載予定
すでにNTTの回線を長年使い続けている方にとっては魅力がすくないかも知れない。しかし、関西圏内での転勤や引越しで新規の回線を検討しているのであれば、「eo光」をおすすめする。